序
私は20年以上ドラムをやっている(ドラムマニア稼働前からやってる)割に全然上達していない。 ドラムマニアではスキル5300ほどで紫である。
そんなへたっぴドラマー的にゲームgitadoraのドラムマニアについて思うところを書いていこうと思う。
ドラムマニアというゲームの存在自体
「ドラムマニアがなくなったら困る」と思うくらいにはドラムマニアの存在価値を認めている。
基本的に発表機会のない私のようなドラマーからすると、「曲を叩ける」というのは重要なのだ。 バンドをやっているわけでもないし、ドラムは単独で楽しむにはちょっと物足りないので、曲に合わせて叩きたい。 しかし、なかなかその環境もない。 ドラムは結構場所をとる楽器なのでエレクトリックドラムでも用意するのは大変だという人は多いだろう。
このことを考えると、「手軽に、ドラムを曲に合わせて叩ける」という意味に限ってもドラムマニアはとても良いものだ。
ちょっと変な点
ドラムマニアはXGになったときにパッドの数が増えた。 従来スネア、タムが2つ、ハイハット、シンバル、バスペダルという6箇所だったところ、レフトペダル、クラッシュシンバル、フロアタムが追加され9つになった。 9つというのはおおよそ標準的なキットと同じである。私が持っているキットとも同様の構成になっている。
ただし、微妙な点もある。
ドラムマニアのはパッドはヤマハが提供している。 そのため、安物のDTX同様、「シンバルにリムがある」。
円形でもないため叩き方が独特なものになってしまうのと、シンバル相手にグラビティブラストをする、という現実にはありえないことができてしまったりする。
現実にはできないこと、といえばバスドラムはペダル自体にセンサーがあるため、ステーに足をひっかけて踵で踏む人もいる。 また、テクニックとして踏み切らずに途中で止めてセンサーを高速でオンオフするということも行われているようだ。
バスドラムは本来踏み切ることでビーターがドラムを叩く構造だから、踏み切らなければならないし、 ペダルの前にはビーターがあるわけでそこに足はかけられない。 すごく違和感がある。
そして一番気になるのがパッドセッティングだ。
なんとなくスネアの位置が不自然で、全体的に窮屈になりやすい。 特にフロアタムが窮屈だ。 また、ハイタムは通常のセッティングでは感覚としてはスネアから自然に手を伸ばしたところにあるものなのだが、なんか右にある。このため、よく左手からハイタムに入る場合に右手がスネアを叩いていると右手で左手のスティックを跳ね飛ばしてしまうことがよくある。
ちなみに、以前のシリーズではもっと劣悪で窮屈だったので、このあたりは改善されたと言える。
だが、配置でもっとも気になるのは「ハイハットが低すぎる」ことだ。 椅子をかなり下げないと自然に叩けない高さで、これを助長するのが「ハイハットが傾いている」ということだ。 普通ハイハットは傾けないし、他のシンバルと違って傾けられない。全く不可能ではないだろうけれども。
ハイハットが低いと何が起きるかというと、スネアとの高さが近づく。 そうするとスネアを叩く手がものすごく狭くなる。
ちなみに、ハイハット下端よりもタムのほうが高く、右手でハイハットを叩きながら左手では痛むを叩く(実際のドラムだと普通にやること)とやっぱりスティックを跳ね飛ばす。
ドラムマニアのプレイヤーは左手でハイハットを叩く派(手をクロスしない)が多いのはこのような理由もあるだろう。 なお、一般的に手を交差させる理由は、ハイハットに細かい演奏が必要ということもあるが、それ以上にハイハットは細かな表現を必要とする楽器だからである。 力の加減をしやすい利き手で叩くのだが、ドラムマニアの場合これは関係ない。
また、ラバーパッドの感触もちょっと問題だ。
ラバーパッドというもの自体が生ドラムと比べると非常に反発が小さい。 メッシュパッドであればものによっては生ドラム以上の反発を出すものもあるが、反発の小さいラバーパッドにあっても非常に反発が小さいものになっている。
エレクトリックドラムであればそのようなパッドがないわけでもないのだが、基本的にドラムは反発を活かして叩く楽器であるため、反発があまりに小さいと筋力勝負になってくる。 また、反発を活かすテクニック、例えばオープンクローズなどは使いにくい。
ドラムマニアの場合ドラムを叩くのとは全く違う力でガシガシ叩いたり、スティックをつきさすような人もいる。 メッシュパッドの場合変な使い方では故障のリスクが高く、普通に使っていても長年使い続けるにはセンサーの故障が気になる。 そのためメッシュパッド採用はいくらなんでもないだろうが、パッドはもうちょっと改善してもよかったのでは…という感じはかなりする。
ドラムとは違う点
まずいちばん大きな点はハイハットのオープンとクローズという概念がないことだろう。
ハイハットシンバルは2枚のシンバルが重なった形状をしており、左足のペダルを踏むことでつっついたり離れたりする。 これを利用してくっつき具合とタイミングによって無限にニュアンスをつけられることに加えて、踏み込むことで「パシャッ」とシンバルを鳴らすこともできる。
だが、ドラムマニアには「開き具合」という概念はなく、新しいバージョンでは「レフトペダル」は追加されたものの、「踏む」という動作しかない。 この「踏む」という動作はこのハイハットペダルのほか左足でバスドラムを踏むツインペダルの役割も兼ねている。
そして両者の区別はなく「レフトペダル」としてチップが降ってくる。 このため、ツーバスは本来左右どちらで踏むかということは問わないはずなのだが、明確に決められてしまう。
ペダルをきちんと踏み切らなくても判定されてしまうこと、ペダルの前側に足をかけられることも実際のドラムとは違う。
また、「叩く場所」という判定もない。 スネアドラムにはリムがあるし、シンバルの場合端っこを叩くのと中程を叩くのは全く違う音がする。 ハイハットに関しては上から叩くかスティックの腹で叩くかで音が変わる。 ライドシンバルに関しては「カップ」といって中央部はまた違う音がするようになっている。 これにの判定はない。
また、ドラムには音階がなく出せる音の数も少ないため基本的にニュアンス楽器である。 強弱というのはドラム演奏にとっては生命線なのだが、この概念もない。 もっとも、これに関してはもしあったらゲームとしては最悪なものになるだろうが。 (演奏者の個性でもあるからだ)
割としっかり叩かなくてはいけないという点も違いとなるだろう。 ドラムのニュアンスの一部として、叩きはするけれども耳を澄まさないとそれとわからないような音というのがとても大事なのである。 このようなハイハットのアップストロークやゴーストノートなどはあまり判定してくれないので力で叩くことになり、表現力はむしろ損なわれやすい。
ドラマーはドラムマニアができるか
基本的には譜面が読めるようになればかなりできるはずだ。
動作としてはドラムと同じようなものだということがひとつ。 そして、ドラムの場合よほど特殊なフィルを除けば決まったパターンの応用なので1、各パターンを叩けるか、というとまともなドラマーなら譜面を渡されれば叩けるはずだ。
もちろん、ドラムがパターンの組み合わせである以上、各パターンの組み合わせやつなぎ、発展も練習している。譜面にしてしまえばリアルドラムとの差は少ない(単に要素が減る)だけの話なので、ドラムマニアができる人がリアルドラムを叩くにはたりないものがあるが、リアルドラムが叩ける人であればドラムマニアをするには問題ない。
逆に曲がどうとかいうのに関係なく、決まったレパートリーを叩くだけの人は曲に合わせた様々なバリエーションを求められるドラムマニアができないだろうが、 それはドラマーとしても必要最低限のレベルに到達していない、ということだと思っていい。
譜面のリアリティ問題
歴史的経緯
昔のドラムマニアは、難易度設定が
- NORMAL
- REAL
- EXPERT REAL
というものだった。
当時の音ゲーという感覚から言えばほぼドラム演奏というドラムマニアはあまりにも奇異なもので、「それは無理だろう」と考えた。 そもそもスタッフはGuiter Freaksの時点で「これは多くの人にとって難しすぎるのではないか」と考えていたという。 けれどもせっかくドラムの形をとるのだし、よりフリーキーな人たち、あるいはドラムを叩く人たちにも楽しめるものを、というわけでよりドラムっぽいREAL、ガチっぽいEXPERT REALも用意された。
この時点では、現在のような「難易度のための高難易度」ではなく、ドラムを叩くというのは難しいことだから難しさとドラムのリアリティというバランスのための存在だった、と言えるだろう。
ドラムマニアというゲームは、ドラムを叩くのが難しい人でも曲にあわせてドラムを楽しめる、あたりがコンセプトだったように思える。 一方でドラムが叩ける人にとってはいくつかのパフォーマンスの余地を与えた。これが、「余計なノートを叩いても構わない」「リアルな譜面のモードがある」だった。
この方向性はKEYBOARD MANIAにも引き継がれたように思う。 KEYBOAD MANIAは本当にキーボードを演奏するゲームだった。 ただし、LIGHTやLIGHT+ではキーと実際に出る音が違うので、BEATMANIAと同じ感覚。 一方、REALに関してはちゃんとキーと音が(だいたい)合うので普通に演奏できる。
ただし、キーマニは私のようにオルガンやっている人や、ピアノしている人(どちらかというとこのほうが有利)にとっては無双できるし、 しかし降ってくる譜面はいくらなんでも見づらいものだったし、LIGHT+譜面でも運指はできる必要があったので素養なしには結構きつい、ということでコンセプト倒れに終わった気がする。
そしてこの頃(ドラムだと5th)にはもうゲーマーの時代がやってきている。 キーマニの場合、全体的にはゲーマーよりは演奏家のほうが有利だった。特にREALの場合は楽器演奏の技術がそのまま適用できるし、楽器演奏できない人にとっては始めにくい。 しかしドラムマニアの場合は「ゲームとしての勘所」をつかめば普通にプレイできる。もちろんドラムにも基本的な叩き方というのは色々あるのだけど、なくても(強靭な肉体があればかなりのレベルまで)なんとかなる。鍵盤はさすがにないとどうにもならない。
そもそも楽器としてみたときに、ドラムの技術というのはほぼエクスプレッションに集中しているというのが大きい。 フレーズが叩けることよりもどう表現するかが問題になる。もちろん、フレーズを叩くための技術というのもあるのだけれど、ドラムは「叩くだけなら比較的簡単」な楽器なのだ。 他の楽器は音階もあって鳴らすことができる音が多いのでそもそも「正しく弾く」ことに関してはドラムより難易度が高い。 ドラムマニアにはエクスプレッションがないので、奏法がいい加減でも割となんとかなる。
結果としては「全体的にはドラマーよりゲーマー有利」という状況が生まれた。 そして、コナミはゲームメーカーであるし、上位のプレイヤー(だいたいはお得意さんである)はよりゲーム性というかゲームとしての高難易度を求める。 世のゲームがシリーズを重ねると高難易度化していく道理に従って「ゲームとしての難易度」が上げられてきた。
現状
Vシリーズは割と歯止めが利かなかったように思うし、そのあたりは今のシリーズになってだいぶ改善された気がする。
まず、「ドラムが難しい人でもドラムが楽しめて、叩ける人はリアルなドラムプレイが楽しめる」というコンセプトを失っていないというのは、長く続いてるシリーズとしてとても稀有で素晴らしいことだと思う。
チュートリアルでは
ドラムが叩きたーーーーい!!! という 夢 を 簡単 にかなえるよ!
…
これさえ覚えれば、 誰でもミュージシャン だよ!
とはじまる。 ドラムは演奏すること自体がとても楽しい楽器なので2、これは素晴らしいことだ。
初期の難易度はそのまま
- BASIC
- ADVANCED
- EXTREME
というふうになっている。譜面としては次のような感覚だ。
- BASIC: ドラム演奏とは明らかに違う。ゲームとしてお手軽にドラムを叩くという行為を楽しむ感じ
- ADVANCED: 同時に叩くといった要素が増えている。名前通り、BASICにドラムらしさを足した感じ。曲のドラムプレイという感覚は薄い
- EXTREME: 曲に忠実なわけではないけれども、ちゃんとドラム演奏になっている。叩きやすいようにアレンジした譜面に近い
- MASTER: だいたい曲のドラムに近い。叩きやすいように変更されている部分は限定的。EXPERT REALよりももっとリアル
ちなみに、BASICでも難しい曲だと難易度6台もあったりして、BASIC流なんだけど難しい曲というのもあり、曲をまたいで「BASICよりADVANCEDが難しい」というふうにはなっていない。 そして、人によっては「BASICの6台はできるけどEXTREMEの4台はきつい」ということが普通に起こりうる。
あまり評価している人がいないけれど、これは素晴らしいことだと思う。
ドラムの曲練習というのはなかなかこういうふうに段階を踏んでいけない。割と入り口がきついのだ。 ドラムマニアだと、ADVANCEDで曲としてのリアリティはないけど(実際に演奏したらしょぼいけど)、ちょっとテクニックが必要だったり、ピリッとしたフレーズがあるというような譜面が叩けて、 それを積み重ねてうまくなることができる。
ドラムらしいといえばらしいけれどミスに対してとても厳しいという点は今のシリーズになってかなり緩和された。 なのでドラムだったら許されないようなぼろぼろの演奏ではクリアはできるどころかBもとれる。実際のドラムだと、Aもとれないレベルだと許されないと思う。
そして、もちろんゲーマーの要望に合わせて難易度は上がり続けている。 基本的に追加される曲は比較的難しい曲で、簡単な新曲というのは大体が版権曲である。
だが、そもそも世の楽曲のドラムプレイはレベルが上がり続けているので、版権曲でもMASTERにもなればそんなに簡単でもないのだけれど。
譜面の話
遊びではないのか
私はあまり関わりを持っていないので3、あまり目にすることもないのだけれど、 たまにニコニコを見たりすると譜面に対する罵詈雑言にあふれている。
楽器演奏というのは余程差がない限りはどちらが上だと決めるのは難しいものなのだけれど、ゲームだとスコアという形になってしまうし、競争意識が働くからなのだろうか。 特に数値上の難易度表示設定(これがプレイヤーのレベルを表す値に直結している)に対する悪口が目立つ。
楽器演奏だとコンテストにでもでない限り優劣をつけることもないのだけれど、ゲームだと常に優劣をつけることができるからか、ものすごく優劣にこだわる人が多いように感じている。 譜面が好きでない、曲が好きでないのならその曲をやらなければいいし、自分が楽しいと思う曲を楽しんで叩けばいいのだ。 そもそもゲームなのだし。ゲームは楽しいからするものなのだし。
だが、「これはゲームではあっても遊びではない」4人が多いのか、スコアの出しやすさや難易度に対しての文句が多い。 基本的には「難しいのは嫌だけれど(より難しくして欲しいという人は少ない)、他の人が得点出すのも嫌」みたいな発言が多い。
そして、よく言われる点を要約すると次のことだ。
「最近の譜面は難しくするために難しくしたもので、ドラムらしくない。無理やりだ」
私はこれには 全く賛同しない 。
別におかしくはないと思う
ではそんな「最近の曲」を見てみよう。
“とびきりシュガータイム” は今回の新曲のひとつだ。 ドラマーの山本真央樹さんの曲である。 そして、今回のMatixxでは最も話題になった譜面である。簡単にいえば、「ずっと16分でライドするボサノバリズム」だ。
ドラムとしてはそんなに難しくないと思う。難易度設定は8.40なのだけれど、ドラムとして考えればそんなに難しい曲ではない。別に私が叩けるわけではないけれど、そもそも私はドラムあまり叩けない人なので私が叩けないのは当然である。
が、9台を普通にこなすプレイヤーにとってもあまりに難しい譜面として話題である。 ドラムとしては普通の軽めの曲なのだけれど、そんなにも難しいのは、「ドラムマニアのパッドはそんなに跳ねない」という点を無視した完全に生ドラの曲になっているためだろう。
生ドラのシンバルは固定されていない金属なので、V-Drumsのシンバルと比べても「軽く叩いたときはもっと返りやすいし、強く叩くと簡単に抜ける」というものになっている(aDrumsだともうちょっと生ドラに近い感覚だけれど、それでも違う)。
エレドラだとシンバルの連打は腕に来るのだが、ドラムマニアだとさらにきつい。 あと、こういう速い刻みをマシンみたいな正確さで行うのは人間には厳しいものがあるのだが、ドラムマニアの場合それを求められることになる。
途中追加された“Sweet Feelin’” は若干Jazzyなライトポップだ。
これは私お気に入りの譜面である。まぁ、何も違和感のない普通の譜面だと思う。 「そこハイハット叩くの?」と思わなくはないけれども、プレイヤーがテクニックとしてそういう手の速いプレイをしていると考えれば別にOKだろう。
“MODEL FT4” は目下話題の、最新ボス曲。 「無理やりだ」とか「マシンだ」とか「難しくするために難しくしてるんだ」とか「ビーマニみたいでドラムとして正しくない」とか色々言われている。
まず、別に譜面は非人間的ということはないし、この程度叩くドラマーはプロならいくらでもいるし、グルーヴあるドラマーなら手癖レベルなのではないか。というか、今どきのドラマーはこんな次元ではない。 現代の本当にヤバイドラマー5が叩くヤバイフレーズはこんな次元は完全に超越している。 というか、むしろ“PIRATES BANQUIT”のほうが難しくないかい?
9.90というけれど、「ドラムとしてのリアリティ」を求めるのであればこの程度が最高難易度並というのではちょっと現代のドラムには追いつけないのではないか。 別にドラムとしておかしいことはないし、普通にドラマーのドラムだなぁ、と思う。
でも、わかるところもある
ただ、曲作りに関していえばちょっと思うところはある。
ボス曲の宿命として、作曲する時点で「いかに難しい曲にするか」ということが問われるのだけれど、その方法があんまり素直じゃない。 曲としての出来栄えを追求したとか、演奏の気持ちよさを追求したとかではなく、まず難しさを追求したということを感じてしまう。
「難しくしよう」と思って作曲することは、普通はあまりない。 そして、それを考えてしまうとどうしても奇をてらったものになりやすい。
最近の新しい曲は「叩きにくい」譜面が多い。 いかに難しい曲、譜面を作るかを考えてしまったのかなというか、最近はテクニック的に難しくても素直な曲(たとえばLike Loveとか)は難易度値が低めに設定される傾向にある。 結果グルーヴに欠ける叩きにくい譜面なんかが増えてしまう。
とはいえ、例えば “LIPS NOISE HUNTER” とか、“Sweet Feelin’” のようなパターンだけじゃないぜってドラマーにとってはすごくおいしい譜面だと思うし、“摩天楼ノ特異点~Anti;HERO”なんかはごく素直な譜面だろう。 そういう曲もあるのだし、新しい曲しかプレイできないわけでもないし、別に良いのではないか。
MODEL FT4だって曲としてもうちょっと煮詰められなかったのかと思わなくはないけれど、ドラム自体はEXT/MASに関してはフィルテクニックが詰まっていてとても楽しい。
むしろ、全体に見てメタルっぽいのとか、ゴリゴリな曲が多いことのほうが気になる。 もっとポップなのとか、Jazzyなのも全体のバランスとして増やしいほしい。
別に「ドラムじゃない」「マシンだ」とかいうのは、“Concon”とか、“begin”とか、“Walk with You”みたいな曲がいっぱいあるわけでもないので、それは違うのではないかと感じる。
ただ、駄目な曲もあるにはある。 “triangulum” である。 この曲の譜面はさすがに何がしたいのかわからないし、しかも曲と譜面でMASTERでもリズム自体違う。 現状、私の最高難易度FC(ADV, 6.40)なのだけど、「これはないわ…」と思っている。 まぁ、そういう曲もあるだろう。今にはじまったことでもない。
新しい曲のほうが好きだなぁ
個人的に好きな曲・譜面を見ると、初代からプレーしているものの、やっぱり少なくとも私は新しい曲のほうが好きだし好みだと思っていることを確認できる。
好きな曲
版権曲は除く。削除曲も含む。
基本的に達見恵さんの曲がとても好き。
- Riot of Color (TAG, XG3)
- Fly Far Bounce (猫叉Master/泉陸奥彦, Re:Evolve)
- Give Us Kiss! (sugarless sugar, Gitadora)
- 垓 (cosMo@暴走P feat.96 & 肥塚良彦, Tri-boost)
- Cassis (肥塚良彦, Gitadora)
- 『Termination』 (NM feat.今井優子, 9th)
- イジワルなあなた (達見恵 featured by 佐野宏晃, XG)
- つぼみ (達見恵 featured by 佐野宏晃, XG3)
- Summer Holiday (達見恵 featured by 佐野宏晃, XG3)
- E-MAIL ME! (Paula Terry, 5th)
好きな譜面
こちらは版権曲も含む。XG譜面限定なので削除曲は含まない。
これはドラムプレイヤーとして叩いたときの楽しさの話なので、私が叩けると言っているわけではない。
ここで好きと言っているのは、バチッとキメたときにドラムとしてかっこよくて気持ちいい曲、要は「ドラムの譜面としてドラマーとして好きになれるか」のお話。 難しいけどバチッとキメたら気持ちいいフレーズや、かっこいいリズム、魅せどころのあるプレイができる曲がポイント高い。
もちろん、ここで言っているのはゲームとして叩く話ではない。見た目にもかっこよく、エクスプレッションもつけてきっちりパフォーマンスする話である。 ただし、ドラムでカバーする話ではなくて、ゲームでゲームの譜面に従う範囲での話。
達見恵さんの曲はどれも(超高難易度で)素晴らしいドラムなのにMASTERがないので残念ながらいまいちな譜面が多い。 MASTERのあるHUNTERに関してはそこまで難しい曲ではない上に割と地味で、最後のライドが足りない。
- ようこそジャパリパークへ MAS (どうぶつビスケッツ, Matixx, 7.25)
- LEMON & SALT MAS (小野秀幸x96x肥塚良彦, OverDrive, 9.90)
- 垓 MAS (cosMo@暴走P feat.96 & 肥塚良彦, Tri-boost, 9.85)
- YELLOW PANIC TIME EXT (小野秀幸, 5th, 6.60)
- 君氏危うくも近うよれ MAS (A応P, Matixx, 7.30)
- ギタドラシカ MAS (Rookie.F deat.HIZAKI(Jipter & Varsailles), Re:Evolve, 9.10)
- Concertino in Blue MAS (佐々木博史, 6th, 9.55)
- LIPS NOISE HUNTER MAS (SOUND HOLIC Vs. T.Kakuta feat. Nana Takahashi, 8.60)
- Plum EXT (肥塚良彦, XG3, 7.95)
- 京 MAS (cosMo@暴走P feat.96 & 肥塚良彦, Tri-boost, 9.35)
とびきりシュガータイムなんかも、クールに叩けたらカッコイイけれど、決め所がなく、しかもあまり叩いてて気持ちいいものではない。
Give Us Kiss, つぼみあたりにMASTERがきたら楽しそうだけどなぁ。
おわりに
よく言われることについては、 別に譜面がどんどんおかしくなっているとは思わないし、ドラムとしてのリアリティが損なわれているとも思わない。
ドラムそのものがかつてならリアリティがない(人間ではできないからマシンにしか聞こえない)ようなものが完全に当たり前になってしまうくらいにドラム、ドラマーは進化してきたし、むしろドラムマニアの譜面では達人ドラマーたちのプレイを考えればぬるいくらいだ。
また、本物のドラマーなら慣れればドラムマニアはかなりできるはずだ。