Harukamy's Memoranda

前代未聞! もうSUPER GTのYouTubeチャンネル、チェックした?

SUPER GT

SUPER GTは日本で行われているGTカーレースである。

GTカーレースというのは普通のクルマの形状をした、中身は普通じゃないクルマで行われるレースである。 一般市販車をレーシングカーとして改造して行われるレースをツーリングカーレースと呼ぶのに対し、これが改造というには度を越しているのでグランドツーリングカーレース、でGTカーレースだ。

GTカーレースの魅力は、速さと迫力である。

F1などのオープンホイール(フォーミュラカー)レースは気軽に接触できない(軽くても接触は非常に危険である)が、ボディがあるGTカーは割とがつがつあたってもまだなんとかなる。一方、最近のGTカーはオープンホイール車両に迫るほどの速さになってきている。

1993年から2004年にかけて、全日本格式として全日本GT選手権(通称JGTC)が開催されていたが、2005年から国際格式となり、これに伴って名称もSUPER GTへと改称された。

シリーズとして歴史が長いので、どんなレースであるかということを説明すると非常に難しいのだが、特徴的なのは

  • 非常にショーアップされたエンターテインメントレース
  • 2クラス混走
  • ドライバー2名(場合によっては3名)で走るセミ耐久レース

ということだろう。

ピットイン、ドライバー交代を含む長いレースは、ピットでのドラマを生む。 さらに、エンターテインメントレースたらしめるポイントになっている、「車両の性能を細かく調整し、特定のチームや車両が独走したり、勝ち続けたりしないようにする」ということもあり、毎回接戦のレースが楽しめる、というわけだ。

それだけでなく、レースクイーンたちのイベントであったり、ドライバートークショーであったりと、レースに不慣れな人でも楽しめるコンテンツが盛りだくさんで、ドライバー紹介のときにコスプレをする選手がいたりとただレースをするだけではない面白さがある。

2クラス混走というのも特徴的であり、レースをおもしろくする要素だ。 例えば2019年までのル・マン24時間耐久レースは、LMP1, LMP1H, LMP2, GTEという事実上の4クラスがあり(賞典別だとまた違う)、遅いクラスのクルマを速いクラスのクルマがオーバーテイクする、というシーンが多い。 また、ニュルブルクリンク24時間耐久レースではもっとたくさんのクラスがある。

だが、それはあまり一般的なことではない。SUPER GTではGT300とGT500という2つのクラスがあり、非常に速いレーシングカーであるGT500と、多彩なレーシングカーからなるGT300という異なる楽しみ方があり、さらにクラスが違うマシンの混走のためにお互いに邪魔してしまって競り合いに影響する、ということもある。

このようにSUPER GTは面白さの詰まったレースシリーズなのだ。

車両も魅力的だ。

1993年当初は、ほとんどがJSS、あるいはISMAの車両であり、唯一日産が全日本ツーリングカー選手権(JTCC)のスカイラインGT-RをJGTC用にして持ってきただけという状態だった。 1994年にはトヨタ・スープラ、日産・スカイラインGT-R、ホンダ・NSXという3メーカーが揃い踏みとなるが、この頃はまだ「市販車を改造しました」という感じが強かった。

1996年にはGT500/GT300という現在にも伝わる名称が誕生するが、GT500クラスの車両は、もう改造車とは言い難いものになってきている。これ以降、エンジン型式が市販車と違うとか、駆動方式が市販車と違うとか、もう根本的なところで元のクルマとは違うのが当たり前になってくる。

一方、メーカーの維持の張り合いであるGT500に対して、GT300は名だたるチューニングショップが持ち込んだ「改造車」が登場した。 これもやがては市販車と中身が全く違うものが登場するが、チューニングカーレースでも出てこないようなめちゃくちゃな改造車がたくさん登場するのもGT300の魅力だった。

現在はそのような「多彩な改造車」はほとんど登場せず、グローバルスタンダードであるGT3カーが使われている。 GT3カーのレースも非常に人気が高いが、GT3と混走するGT300クラスの車両(通称JAF GT)の存在も魅力だ。 JAF GTマシンでの参戦を続けているのがスバルで、昔はキャロッセというショップが独自にスバル車を持ち込んでいたが、現在はメーカーとしてのスバルが、レーシングチームのR&D SPORTにジョイントする形で参戦している。 最初は4ドアセダンのレガシィで参戦していて、凄まじい迫力と速さのレガシィという違和感MAXなクルマだったが、現在はエントリークラスのスポーツカーであるBRZを使用している。

プリウス、と言ったら普通の人は「エコカー」をイメージするだろうが、SUPER GTのプリウスは一味違う。2018年まではレーシングカーとしてオリジナルのパイプフレームのシャシーに、オープンホイールレースであるフォーミュラ・ニッポン(現在のスーパーフォーミュラ)用の3.4リッター V8エンジンを車体中央(ドライバーよりうしろ)に搭載し、レース用のハイブリッドシステムを搭載して、プリウスっぽいガワをかぶせたマシンだ。 2019年からは5.4リッター V8エンジンをフロントに積んで、PHVのハイブリッドシステムを搭載している。いずれにしても、めちゃくちゃ速い。そもそも、まず見た目からして「…プリウス???」となる。

ヴィーマック、紫電、ガライヤ、モスラーといった、「なにそれ」というような車両(そもそも、元になる市販車がなかったりする)が走っていたこともあるし、一方でGT3車両はBMW, メルセデス・ベンツ, アウディ, ランボルギーニ, マクラーレン, アストンマーチン, フェラーリ, シボレー(キャラウェイ), ベントレー, トヨタ(RCF), 日産(GT-R)と様々なメーカーのスーパーカーが目白押しである。

YouTubeで見よう

SUPER GTは世界的にも人気が高まっており、番組は世界放映されている。 日本では長い間テレビ東京が放映してきたが、最近(多分2009年から)はCS放送のJ Sportsが放映している。

というわけで、SUPER GTは有料放送であり、観るにはちょっとハードルが高い。

だが、SUPER GTのYouTube Official Channelでは2018年には各レースのダイジェストをアップロード、2019年はJ Sportsの番組を分割してアップロードしていた。

そして激震が走ったのが2020年に入ってからだ。 2020年1月27日、2019年第1戦 岡山のフル映像を公開した。 分割したものは今までもアップロードされていたが、つまりここで有料放送であるJ Sportsの番組をそのまま配信する、ということをしたのだ。

そして、第2戦 富士、第3戦 鈴鹿とアップしていく中、第5戦 富士500マイルレースアップロード後に衝撃の報告がなされた。

SUPERGTファンの皆様にご報告です。 2010年以降のSUPERGTレースのアップが関係各所のご理解もあり 可能となりました。 過去のレース映像はデータ化する作業などもあるために、 すぐにはアップ出来ませんが、順次アップをしていく予定です。

今後のアップ予定 2019年の日本語、英語レースプログラムを公開 2014年〜2016年のレース映像を公開。 その後に2010年〜2013年をアップとなります。 予選に関してはそこまでの作業が完了してから 再度検討していきます。

皆様のご期待に添えるよう運営を進めていきますが、 ご意見などはこのチャンネル内でお聞きして より皆様が楽しめるチャンネルにしていきたいと思います。 皆様のチャンネル登録お待ちしております。 よろしくお願いします。

これは今年の開幕まで退屈せずに済みそうだ、と考えてた矢先、2019年の動画のアップロードが終わる頃、COVID-19の騒動はいよいよ本格化してくる。そして、2019年に続けて2014年の動画がアップロードされる中、2020年のSUPER GT開幕戦の延期が発表された。

それだけではない。ル・マン24時間耐久レース、ニュルブルクリンク24時間耐久レースといったビッグイベントも延期され、レースファンは項垂れた。バイクレースも観る人は、MotoGPの延期もあった。

エンターテインメント業界の人々は、収入源を失い、非常に大きな打撃を受けている。 レースも含め、興行が収益の主体であるところは特に痛い。 そんな中でも、鬱屈する今の環境をやわらげようと、様々な人がそれぞれが今できる形で楽しませてくれている。

SUPER GTのYouTube Channelではこの状況下で、ほぼ毎日のように動画をアップロードしてくれている。

2010年までの映像を公開というだけでもすごいことだ。 SUPER GTは冠スポンサーこそ代わっていないが、先に述べた通り国際的に放映されており、権利関係は複雑である。 しかも、有料放送として放映されているものだ。 そこをクリアにしてYouTubeに載せる、これだけでも驚きである。

しかしそれに留まらない。この状況を受けて、さらにYouTubeに力を入れ始めたのだ。

既に映像が古く、現在と異なる権利関係を持っているJGTC時代の動画も既にアップロードされ始めている。 古い映像は探すのも大変だろうし、データ化だって容易ではないだろう。

さらに、今の状況の中で楽しめるイベントも開催してくれている。 それが、YouTube上での過去のレース映像のプレミア公開だ。 プレミア公開でみんなでわいわいチャットしながらレース映像を観る、それだけでも楽しいのだが、なんと運営、選手、チーム関係者もチャットに参加し、一緒にレースを楽しむことができる。 選手たちから当時のことや裏事情、さらにはこんなことでもなければ絶対に聞くことがなかったであろう選手たちやチームの裏話も次々と飛び出し、新しいレースの楽しみ方が生まれている。

SUPER GTは非常におもしろいレースだ。レース観戦ビギナーの人にもお勧めできる。 それは、SUPER GTというイベントを楽しいものにしようという運営の不断の努力があってこそのものだ。

だが、これまで、番組は有料放送であり、チケットもそこそこする上にサーキットに行くのも大変なので、 レース観戦をしたことがないという人に勧めてもキッカケがない、ということが多かった。 「それってどんな感じなの?」と聞かれてもその楽しさを伝える方法がない。言葉をいくら尽くしてもなかなか伝わらない。

こうして動画をアップロードされるようになったことで、「ぜひ一度、この動画を見て!」と言うことができるようになった。 それだけでもすごく大きいのだが、今SUPER GTの運営、映像チームがやってくれていることは、まさに息苦しさを増すこの社会情勢を乗り切る力になるような、そんな新しい楽しみでもあるのだ。

今までレースに興味がなかったという人も、ぜひ観てみてほしい。 SUPER GTは本当に楽しいレースだ。

Wrote on:
2020-04-18

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